ボンネビルスピードマスターに乗り始めて1年が経ちました。
タイトルの通りですが、ボンネビルスピードマスターに乗り始めてから1年が経ちました。


1年所有して感じたことを思つく範囲で書いてみようと思います。
まず、ボンネビルスピードマスターについてですが、トライアンフのクルーザータイプのバイクです。過去にスピードマスターというクルーザーがありましたが、同じなのは名前だけで見た目もスペックも別物です。今のスピードマスターはボンネビルボバーブラックと作りが共通な部分が多く、ボバーシリーズの派生車種という考え方がしっくり来ます。
ちなみにボバーブラックとの違いはだいたいこんな感じです。
- タンクが8L→12Lに容量アップしている
- タンデムシートが付いている
- タンデムステップが付いている
- ハンドルがワイドなビーチバーになっている
- ステップがフォワードステップになっている
- ミラーがバーエンドミラーじゃない
バイクの紹介はこの辺にして感想行きましょう。
見た目
所有者なので当たり前ですが見た目はとてもかっこいいと思います。デザインも現行の他のクルーザーに似ているということはありません。ギラギラした高級感はありませんが、平面的なパーツはほとんどなく丁寧に作り込まれているように見えます。車体のサイズは車検証の表記で全長2190mmなのでリッタークラスのクルーザーと並べるとかなり小さく見えます。(数字だけ見るとその辺の250ccクルーザーと同等か更に小さいですw)

ポジション
身長181cmの自分が乗っても姿勢はゆったりした印象です。ハンドルはかなり手前に引いてあるので上半身は直立する感じです。足つきも両足べったりで膝が曲がるくらいでとてもいいです。ステップの位置に関しては人それぞれ感じ方が違うところですが、自分にとっては膝を曲げて踏ん張ったり、逆に膝を伸ばして突っ張ることもできない微妙な位置に感じます。(最初は慣れると思ったんですけどね。)
走り
エンジンは1200ccの水冷並列2気筒です。馬力(出力)は77馬力(57kw)を6100rpmで発生。トルクは106N/mで4000rpmで発生します。ボンネビルT120のエンジンをトルク重視にチューニングしたとのことですが、3馬力失って得たトルクは1Nmですし、最大トルクの発生回転数はむしろ高くなっているのでどういう意図の味付けなのか謎です。
ギア比は高めで60km/hで6速に入れると1500rpm〜1650rpmの低回転で走れます。低回転でドコドコサウンドを出しながらのんびり流すのは楽しいですが、トルクが出てないので加速しません。3000rpm以上に回してあげるとモリモリ加速するのと同時に野太い大排気量パラツインの素敵サウンドが両耳から聞こえるのである程度回しても楽しいバイクだと思います。スロットルを大きく開けた時の体感加速はものすごく、体が後ろに持って行かれます。まぁ、この体感加速は乗車姿勢のせいだと後でとわかりましたが。ちなみにエンジンの振動に関しては低回転だとあまり振動はないので疲れません。高回転は割とビリビリ来ます。
ちなみにギア比は1速から高めです。渋滞でノロノロ走る時にスピードが出過ぎて困ります。そしてエンストしそうなほど低回転になるとローRPMアシストが効いて回転数を上げてくれます。初心者には嬉しいですが、速度が上がるので渋滞時にはアシストが介入しないようにクラッチをパカパカしてコントロールしなきゃいけないです。(上手な使い方ないですかね?)

ブレーキはフロントがダブルディスクでブレンボのキャリパー。リアはシングルディスクでNISSINのキャリパーです。(なんで統一しない?)制動力はそれなりにありますが、止まる領域はしっかりブレーキを握り込んだところにあるのでロックを恐れて軽く操作すると全然止まりません。リアもしっかり踏まないと坂道発進でズルズル下がります。これは慣れの問題でちゃんと握れば止まりますし、むしろ突然ガツンと効くことがないので低速時や降車時の取り回しなんかはコントロールしやすいです。
あと、コーナーリングは苦手なバイクに感じます。今まで所有したどのバイクよりもバンク角は狭いです。オプションのミッドコントロールに交換したらバンク角が増えて別のバイクのようにヒラヒラ曲がれるようになりました。自分はミッドコントロールにしましたがステップボードに交換してもバンク角は増えるらしいです。
燃費
燃費計の表示では下道で22km/l前後、高速だと27km/l前後です。(満タン法だと29km/lに届いてるっぽい)排気量を考えるとかなり燃費はいいです。一応計算上は無給油で300km以上走れることになりますが、メーターに表示される航続可能距離がそれより短いので怖くてできません。ツーリングでは大体250km毎に給油しています。(200km走った頃にenptyランプが点くのであとは航続可能距離を見ながら更に50kmくらい走って給油する感じ)
積載
タンデムシートがあるのでボバーより荷物が積めそうですがそうでもなかったです。突起や隙間がほとんどないバイクでなので例えばネットのフックをかける場所が意外とありません。グラブバーがありますがフックが掛かるのはシートの後ろ側だけで前側は掛かりません。自分はフックを掛ける為のベルトをつけています。見た目が良くない上にフェンダーレールを外して通す必要があったので容易に脱着はできません。(何かいい方法ないですかね?)

ボバーの方は明らかに積載に困りそうな見た目をしているせいか、各社からキャリアが発売されていてかっこよく積載スペースを確保できるので羨ましいです。
最後に
良いことも悪いことも思いついたことを書いてみました。とにかく乗車姿勢は独特なので購入検討している人は試乗することをお勧めします。
自分の場合は後から姿勢に不満が出てしまいましたが、オプションパーツで改善できたので結果として大満足な一台になりました。
長く乗り続けられることを願いますが、果たして今後故障はあるのか。そして維持費はどれくらいかかるのか。何かあったら投稿したいと思います。
ディスカッション
コメント一覧
スピードマスターを検討中ですが、やはりステップが地面に触れる事を心配してます。ミッドコントロールも付けたいと思いますが、どのくらいの改善になるのかをご教授お願いできれば幸いです。
>ゆうすけさん
具体的な数字で表せないので感覚的な話しかできないのですが、フォワコンで毎回ステップを擦る交差点があったのですがミッドコン化で擦る回数が半分以下になった感じです。
時間が経った今はステップを擦ることがほぼないので慣れもあると思います。
試乗する環境があればですが標準でミッドコンのボンネビルボバーで体験するのも良いかと思います。
早速のご返信ありがとうございます。
残念ながら、ミッドコントロールのスピードマスターを乗るチャンスは無さそうな気がしております。
友人のハーレー乗りは、ミッドコントロールならよほどのスピードで曲がらない限り擦らないと言っておりました。
但し、交差点の小旋回的な時の話はしてませんでした。
やはり、多少配慮は必要なのでしょうか。
試乗をお勧めしたのは「ボバー」の方です。
正しいか分からないのでテクニック的な表現は避けてたのですが、バイク角に頼らずリーンインの気持ちで車体を寝かせずに曲がればフォワコンでも擦らないです。以前の自分はそれができていませんでした。
それから速度を乗せたままコーナーに突っ込むとバンク角が欲しいので擦るケースもありますがコーナー前でしっかり減速して立ち上がり重視で曲がれば擦らないです。
それよりも高速道路を走っている時にズボンの裾に風が入って捲れてくるのが一番のストレスでしたね。
ありがとうございました
高速道路でのお話は目に映る様です(笑)
やっぱり、リーンインですよね。基本に立ち返らないとですね。T120も考えていますが、やはりクルージングで遠出がしたいなぁ!って思うとスピードマスターかなと、、、。
お忙しい中お付き合いいただきましてありがとうございます。いつか、お会い出来れば幸いです。
あと、ボバーのお話は納得いくお話でした。
改めて、ありがとうございます。
いえいえ、バイク選びの参考になれば嬉しいです。
T120もいいですね。自分はスピードマスターを買いに行ったのにT120に試乗して一度気持ちが揺れました。
いつか同じ車種でお会いできたら最高なのでここではスピードマスターを推しておきます(笑)
おはようございます。返信遅くなり申し訳ありません。
お気遣いの御言葉ありがとうございました
やっぱり、スピードマスターでいきたいと思います。
お会い出来る日を楽しみにしております。
松岡
まるをさん
はじめまして。
スピードマスターいいですね!私も検討しています。
先日ボバー とT120の試乗をしたのですが、ボバーの低回転で伝わってくるパルス感が気に入りました。デザイン的にはスピードマスターが良いなと思っています。
ただ気になったのは、ドコドコ走っているとつい回転が上がってしまい、一旦スピードを落としてまたドコドコ……行った調子で、鼓動感を定速で感じながら走るのがむずかしいと感じました。
2021モデルからクランクシャフトが軽くなっているようです。
またユーロ5に適応させるため、燃料噴射は薄くなっているそうで、そのあたりなんとなく理屈が合ってるような気がします。
そこで質問させていただきたいです。
まるをさんのスピードマスターはどんな感触でしょうか。
まるをさんの一年目のインプレ、「60km/hで6速に入れると1500rpm〜1650rpmの低回転で走れます。低回転でドコドコサウンドを出しながらのんびり流すのは楽しいですが、トルクが出てないので加速しません」もしかしてこの加速しないというところが、私が求めているところかもしれません。
マイチェン前の試乗車やレンタルバイクがなかなか無いため、どの年式のモノにしようか、毎日悶々としています(笑)
長文失礼しました。
ヒロシさん
はじめまして
試乗でそれだけの事を感じるのはすごいですね。
ご質問ですが巡航時のパーシャルスロットルだとドコドコ感が薄くなるからスロットルを開けたいけどそうするとあっという間に回転が上がっちゃうってことでしょうか。
そうだとすれば2018yモデルも傾向は同じです。ドコドコさせたい時はスロットルを開けては戻しを繰り返す感じになりますね。
一昔前のVツインエンジンのクルーザーの様に重ったるく回転が上がるエンジンと比べると吹け上がりはいいですし、ミッションは6速ということでギア比もクロス気味でしょうから想像よりも回転が上がりやすいと感じやすいのかもしれません。
それと確かに超低回転でスロットルを大きく開けても殆ど加速しませんがそれを続けるのは余計な負荷をかけているだけなのでエンジンには優しくはなさそうです。
的外れなこと言ってたらごめんなさい。
まるをさん
コメントありがとうございます!
全然的外れではなく、お伺いしたかった事そものでした。
やはりふけあがりのいいエンジンなのですね。
私はどうしてもバイクに鼓動感を求めてしまうんです。
自分でもヘンタイじゃないかと思うほどです(汗)
試乗の時はそれを確かめようとして、ちょっと不自然な走り方をしていたかもしれません。
パーシャルスロットルからアクセルONであっという間にふけあがる。この時のトルク感はかなりのものだったかと思います。
これは新旧、同じ傾向として好印象ですね。
もう一つはパーシャルで巡航するとき&そこから徐々に開けた時の鼓動感、もしかしたら以前ものモデルのほうが上なのでは?という想像です。
そしてまるをさんがコメントされていた、「ギア比は高めで60km/hで6速に入れると1500rpm〜1650rpmの低回転で走る。低回転でドコドコサウンドを出しながらのんびり流すのは楽しい」の言葉で完全に火が付きました(笑)
実は私が試乗したとき、ココが印象に残っていないのです.
これはクランクシャフトの軽量化と燃料噴射の薄さのよるものかなと。
マイナーチェンジ前→燃料濃いので、クランクシャフト重くてもふけあがり早い。
マイナーチェンジ後→燃料薄いが、クランクシャフト軽いのでふけあがり早い。
ふけあがりは双方遜色ないけれど、差がありそう….
何度もすみません。
60km/hで6速、パーシャルスロット時のツブツブした鼓動感を感じる?心地よい?あるいは殆ど感じない?
まるをさんの印象についてもう少しおしえていただけますか。
スピードマスターはどの角度からみても完璧なデザイン。クルーザーなのにアメリカンぽくない。ここもポイントたかいですよね。
今回も長文失礼しました。
ヒロシさん
コメントを見てて「分かるわー」の連続です。ちょっと一回語り合いたいくらい(笑
うーん、ツブツブした鼓動感ですか…。
共感できると言っておいて正直ピンと来ないですがとりあえず「鼓動感=エンジンの脈動からくる体に感じる振動」として話します。
あくまで個人的にですがスピードマスター(以下スピ)は鼓動感というものをそれほど感じないです。ただ、大型バイクらしいパルス感、排気音があるのでそれらのいろんな情報と組み合わさることで鼓動感のようなものを演出できていると思います。
ここからはご質問の回答からは離れてしまいますが。
自分の中の鼓動感1位にバルカン1500ドリフターがいまして、それと比較したらスピは正直物足りなさすぎなくらいです。ドリフターはゴツゴツした岩のような感じ。スピは何か軽い感じです。(これがツブツブした鼓動感?)
ハーレーの鼓動感に勝負を挑んだ2000年前後の変態国産大型クルーザーと比較するとどうしてもスピが劣っているような表現になるのですが、スピはそういうバイクじゃないと自分なりに解釈したので記事の中ではあえて比較での感想は書かなかったつもりでした。
それでも無意識にやってしまった比較が「60km/hで6速に入れると1500rpm〜1650rpmの低回転で走れます。低回転でドコドコサウンドを出しながらのんびり流すのは楽しいですが、トルクが出てないので加速しません。3000rpm以上に回してあげるとモリモリ加速する」のコメントです。今思えばですけど。
これを乱暴に訂正すると「60km/hで6速に入れると1500rpm〜1650rpmで(一応ドリフターみたいに)低回転で走れる。低回転でのんびり流す程度ならドコドコサウンドが出せる。でもそこからの加速はシフトダウンを求められる(ドリフターはトップギアのままドカドカと加速したのに)。パワーを感じるのは3000rpm以上(この領域はドリフターと違ってエキサイティング)」です。どうでしょうか。印象が変わりましたかね?
自分の中のクルーザーとしての基準はバルカン1500ドリフターですが、同じようにヒロシさんの中で鼓動感の基準にしている車種があるように感じました。試乗されたボバーではどこか物足りなくて2018yだったら許容できる範囲にあるかもという期待があるのかな?と思いました。
まるをさん
ワラをもすがる私にとって貴重なコメント!ホントにありがとうございます。
バルカン1500ドリフターですか!ノーマークのバイクでした。
よく見るとデザインもすごいですが、排気音もドスがきいていてますね。
乗ってみたいです。
ただかなりレアなバイクだったようですし、手放す人が少ないのか中古車もほとんどなさそうです。
基準にしている車種アリ?とのことですが、鋭いですね!
いまモトグッチのカリフォルニアストーンツーリング1100に乗っています。
もう販売されていないモデルですが、私も変態バイクだと思っています(苦笑)。アリクイのようなカタチしてますし、購入の際デザインはあきらめてました。
「ゴツゴツした岩のような感じ」という表現がぴったりで、バルカンに似ているんじゃないかとおもいます。まさにに基準になっています。
さて鼓動感についてですが、もしかしたらスピードマスターのはパルス感といったほうが良いのかもしれません。
270度クランクの不規則な爆発が、細かい振動として伝わってくるところ。それを私が勝手に「ツブツブした鼓動感」と命名したものですから、すみません伝わりにくかったかもしれません。
カリフォルニア1100の感触を鼓動感というのであれば、ボバーはあきらかに違うテイストです。
和牛ステーキと本マグロ大トロくらいの違いがある気がします(笑)
じつは免許取得の際、教習車がホンダHAWK3だったのですが、もりもりくるエンジンの感触が鮮明に残っていて、いつかバーチカルツインに乗ってみたいと思っていました。
レブル1100も試乗しましたがボバーの方がより濃厚というか、乗っていて楽しかったです。
まるをさんのコメントで何となくわかってきました。
低速で回転が上がらずのんびり流せる感じは、マイナーチェンジ・ボバーでは感じられなかったと思います。
再度試乗してみてこの辺を確認できればともおもいます、が現行モデルを選んだら「あーやっぱり….」と思い続けるに違いありません。
たぶんマイナーチェンジ前の方が幸せになれるのではないかと思いました。
この方向で考えてみたいです。
進捗報告させていただきます。
また相談させてください。
有り難うございます。
まるをさん
スピードマスター、クランクの件ではありがとうございました。
その後考えは変わらず2018年モデルを注文、この日曜に納車の予定です。
ノーマルの状態ですので、まるをさんのブログを参考にカスタムしていきたいです。
またいろいろと相談させてください。
ヒロシさん
2018年モデルにされたんですね。
イメージ通りのフィーリングだといいですね!
まるをさん
お返事ありがとうございます。
昨日は塩尻市でバイクを受け取り、山梨の自宅まで60kmくらい走りました。
1500rpmくらいから徐々に加速していくときの鼓動感、気持ちよかったです!
現行のボバーは軽く吹け上がってしまい、ドコドコって心地よいところが瞬間で終わってしまう感じだったんですよね。
2018モデル思っていた通り、走りながら ”よかった〜” と独りごと言ってる自分がいました。
まるをさんに相談させていただき、よい選択ができました。
機会があればお会いしたいです。
ありがとうございました!
ヒロシさん
納車おめでとうございます。スピードマスター乗りの仲間が増えて嬉しいです。
仕様変更の内容からの考察の通りでしたね!素晴らしいです。
それにしてもユーロ5対応前後でそんなに変わっているんですね。正直に言うと慣れて忘れるレベルの差かと思っていましたが想像以上のようです。
なかなか興味深い会話ができました。
山梨いいですねー。たまに行きますけど楽しく走れる道が多くて羨ましいです。
機会があれば是非ご一緒したいですね。また気軽にお声がけいただけると嬉しいです。